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美しき人と水庭に浮かぶ美の館を訪ねる(散文詩あるいはショートショート 佐川美術館にて)

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空が美しく晴れわたったある夏の日 

美しき人を 琵琶湖沿いの

美術館へドライブに誘った

景色は 空と湖が蒼さを競い 空気が澄み切って

向こう岸が 妙に近くはっきりしていた


美しき人が 言った

なんだか 幻想的な景色ね

そうだね ときどき 湖上の空気が

レンズのような働きをして 不思議に近く見えるんだ

ときには 島が 浮島現象といって 浮いて見えるんだよ

蜃気楼みたいね わたし達が こうしているのも

そうだね 僕たちって 不思議だね

湖の景色を観ながら しばらく会話をしながら

ドライブしてると美術館が見えてきた


その美しい建物は静かな

威厳をもって人々を迎える

空をひとりじめしたかと思えるほどの広い敷地

琵琶湖をイメージしたのだろうか水庭に浮かぶ

切り妻の大きな屋根が放つ

上品なグレイの輝きの美術館

わたしは 美しき人と 並び 入っていく

いくつかの広き展示室があった


遠い古のロマンに

想いを誘う平山画伯の絵画

窓辺から昔日のシルクロードを

眼前に観るかのように錯覚させる

大きな絵のかずかず

駱駝に乗った隊商が

蒼き月の砂漠を歩む


美しき人は 微笑んで いう

わたしたち シルクロードの 旅人みたい

そうだね 絵の世界に 入っていけそうだね

わたし 向こうの世界に 行っちゃおうかしら

だめだよ ぼく ひとりになっちゃうよ

もう あなた ひとりでも 生きていけるわ

だめだよ ぼく 君が いなくちゃ


私たちは しばらく 一つ一つの絵をみて歩く

やがて わたしは ある女性像の絵の前で止まる

ドキッとするほど 美しい異郷の女性

しばし 足を止め じっと見る

あなた やっぱり エキゾチックな美人がいいのね

僕 小さいときの最初の 友達が 

ハーフの きれいな 黒髪の女の子だったんだ

だからかもね と僕は答えた

もう 勝手にしたら と

美しき人は わざとすねる


異郷の地に残る石仏の絵のまえで止まる

こんな 素晴らしい遺跡を破壊するひとが

いるなんて 信じられないわ 

美しき人は感想をもらす

だけど 人類はいつの時代でも 

破壊と創造 戦争と平和を繰り返してきたんだ

人類の宿命さ

だから こうして 芸術家が作品として残すって

すばらしいことで大切なのさ

わたしは どこかの大学教授のように答える

あなたって いつも 冗談ばっかり言っているのに

時々 哲学者になったり歴史学者になったり 

いそがしいわね

わたし あなたの そういうところ 大好きよ

いや そう褒められると 照れるな


数々の作品を観て 遥かなるシルクロードへの

こころの旅を終え ある意味 日本の美の象徴  

楽吉衛門 の世界にむかった



わたし お茶には 興味あるから 楽しみだわ

君って そんな おしとやかな ところあるんだ

まー ちょっと からかわないでよ

展示室は この茶室のある庭園の地下に あるんだよ 

すてきね ちょっと暗くなってるわね 

茶碗を焼く 窯をイメージしたそうだよ

何だか 異空間に 入っていくようで わくわくするわ

わたしは 暗さと 人の気配がないことに 後押しされ

美しきひとに手を重ね そっと握り 

手をつないで 階段をおり始めた


美しき人は わたしを見て 

少女のように ほほえんだ

わたしは どこか夢の幸せな世界への

虹の架け橋を 渡っているような

幸福感が 全身を 満たしているのを感じた

そして不思議に 美しき人も 

同じ気持でいると 感じた 

階段をおりると 少し暗い空間に 

いくつもの作品が 宇宙に 静かに

星が存在しているように

さまざまな色の光を 放ちながら 

手のひらに乗るほどの 大きさの 

茶碗達が 静かに わたし達を 迎えてくれた


小さな 茶碗達は 一つ一つが 惑星のように 

何らかの 力で つながってるかのようだ

静かな存在感と美しさ  

確かに ひとりの 天才的な陶芸家が

創ったものには違いないが 

惑星が 宇宙の物質と重力 

それから信じられない程の熱で出来たように

地球の内部で一かたまりの土が圧力と熱で

不思議な力で固まって 自然にできたと想われるほど

静かな 神秘的な美しさで 観る者の こころを打つ

美しき人はだまって ひとつひとつを 

ていねいに観ていく 


美しき人は いつのまにか 無口になっている

わたし あまり美しいので 喋るの忘れちゃった

美しさって そういうものだよ

ある昆虫学者が世界一美しいといわれている蝶を

見つけたとき あまりの美しさに 

採るのを忘れてしまった

という話があるんだよ

そうね 本当に美しいものって 

ひとに何かを 忘れさせわ

だから 僕 いつも きみに逢うと

この前の約束わすれるんだよ

そうよ あなた いつ おいしいイタリア料理のお店に

連れていってくれるの

えー ぼく そんな約束したのかな 

美しい君を見て 忘れちゃった

あなたって ほんとうに ずるいんだから

美についてそんな会話をしながら

楽吉衛門の世界の感動を胸に

佐藤忠良の彫刻の世界へ向かった


わたしたち 地上の世界に 帰ってきたわね

美しき人は 違う世界から 戻ったかのように言った

今度は 彫刻の世界だね

君も 美術の教科書か 美術の本で

見たことがある作品の本物がここにあるんだよ

わたしたちは 夏 帽子 という作品の 前にきた

あら わたし この作品知ってるわ

日本の彫刻の作品では 最も有名な作品のひとつさ

ぼくも 大好きな作品さ

さわやかで この帽子を被ったポーズ

だれでも 一度見たら 忘れられないと思うよ

そうね それで わたしも 知ってるのかしら

だけど ぼく 不思議に思うけど 

帽子を買うんだったら

なんで ブラウスか上着を買ってあげなかったんだろうね

あなた これは そういう女性美を 際立たせるため

わざとそうしてるんじゃないの 

あなたくらいよ こんな 素晴らしい作品の前で

冗談いうのは もうひとりで 鑑賞してね

待ってよ と追いかけて 子供の動きしぐさを

とらえたブロンズ像のコーナーへ行く


子供って ほんとうに いろんなしぐさするわね

大人が失ってしまう無邪気さが

あんな 自由で屈託のない表情しぐさをするんだね

作者の佐藤忠良さんってほんとうに子供好きだね

そうね わたし子供の笑顔ほど

人に希望をあたえるものはないとおもうの

君知ってる あの有名な おおきなかぶっていう絵本

あの絵 佐藤忠良さんの 絵なんだって

知ってるわ 家ほど大きなかぶを 

みんなで ひっこぬく絵 ユーモラスね

あの絵は どんな困難も 皆で力を合わせれば

なんとかなる そんな思いがあるそうだよ

だから どの作品からも 作者のあたたかい気持が

わたしたちに 伝わってくるのね

こうして3つの展示コーナーの作品を観終わると

わたしたちは充実感と生きる希望に

満たされているのを実感した


あそこに感じのいい喫茶コーナーがあるわ

ちょっとコーヒーでも飲みながらお話しましょう

美しき人は僕をリードして水庭を眺められる

丸テーブルの席に座った

光を反射して微妙にかたちを変える水面を

観ながら いろいろなことを語り合った

人の心も水面と同じね 平面だと思ってるけど

つねに 変化し いろいろな色の光を

放ちながらゆれてるのね 

美しきひとは はっとすることを言った

僕達は変わらないよね と僕がいうと

さー わからないわよ わたしの心は

いつもさざなみが 立ってるから

とまた 悪戯好きな少女のような

笑顔でわたしを見つめた

驚かさないでよ 僕は君がいないと

ダメなんだから 

わたしたち二人は明るく笑った

しばらくして いろいろな作品と

思い出を胸にして美術館を後にした


外は もう日が傾いていた

琵琶湖をオレンジ色に染める夕日を眺めながら

車でその美術館を 離れるころには 

美しき人は 僕にとって ますますかけがいのない 

愛しきひとになっていた


         詩人 友之宮 ゲーテラスカル

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乳白色のガラス 光の魔術師ルネ・ラリック(成田美術館を訪ねて)

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私は美しき人と湖畔の町に

小さなルネ・ラリックの美術館を訪ねる

グレイのレンガ造りの瀟洒な建物

ガラスドアを入ると思ったより数多くの作品群

一つ一つ大切にコレクションした麗人の心を思い

私達は一歩一歩いにしえの 

アールデコの巨匠の世界に引き込まれていく

乳白色のガラス 光の魔術師

柔らかな光が観るものの心を癒す


私ちょっと疲れた心が治ったみたい

えっ君のような明るい人でも心が疲れるの

からかわないで 私意外にデリケートなのよ

あっトンボがいるカマキリも

あなたは本当に子供みたいね 

私は花のモチーフが好きよ なでしこがいいわ

そんな会話をしながら観て行くと

美しき人はある作品の前で立ち止まる

ほら見ててね 私は魔術師よといたずらっぽく微笑む

スイッチを押すと乳白色の花入れは瞬時に

淡いやさしいピンク色の世界から

神秘的なブルーの世界へ瞬間移動

僕にもさせてよ ダメよ美術館の人に怒られるわよ

私達は無邪気な子供になって何回も異次元世界で遊ぶ


不思議な白熱灯と蛍光灯の光の反応

ルネ・ラリックって本当にガラスの魔術師ね

だけどルネ・ラリックはこのことを知らなかったらしいよ

だってあの時代蛍光灯はなかったんだよ

ちょっとかわいそうね ルネ・ラリック

だけど人は自分のこと全部はわからないのよ

私は美しき人の言葉に何故かはっとした

そうだ 人は自分のことさえ全部わからない

人生って不思議だね だから面白いんだよ

私達は急に哲学者になった


私達は見終わって作品室横の休憩室に行く

ル・コルビジェのソファーにすわり

美術館の人の暖かいコーヒーのもてなしを受ける

大きなガラス越しに小さな庭を色々な思いで鑑賞する

僕達はここに来て良かったね

また来ようねと約束した

私達は不思議な体験と

素敵な思い出と一緒に美術館を後にする

振り返ると美術館のひとのあたたかい眼差しと

グレイのレンガ造りの建物がやわらかな光をはなって

私達を見送っていた


          詩人 友之宮 ゲーテラスカル



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詩人 ゲーテラスカル プロフィール
私はゲーテラスカルさまの執事で、詩を書いたりする意外何もできない浮世離れしたご主人様に代わりこのサイトをはじめ作品や財産管理も一切まかされておるものです。簡単にゲーテラスカル様のフロフィールを申し上げます。 ドイツとイギリス人日本人、のクウォーターらしい、生まれは九州ですが、育ちは湘南、逗子、葉山、本人曰くイギリス某オックスブリッジ大学留学中に英語をマスター、大英博物館、図書館で立ち読みにて雑学習得、博識、好きな詩人ゲーテ、シェークスピア、金子みすず、堀口大学、竹久夢二、など好きな作家はバルザック、コンラッド、アガサクリスティ、スティーブンキングなどなど幅広い。ファッションはイギリストラッドを好み女性のファッションにも詳しい。かなりのグルメでスイーツにもうるさい。作品はかなり書き溜めているようですが、気まぐれでいつ創作されるのか良くわからないので、不定期に更新していきたいとぞんじます。

ゲーテラスカル

Author:ゲーテラスカル
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